8時間の末の582。
Vの人はシャニマスやってるのを見たりそっから興味持ったら他のをちょっと見るくらいで定期的に見ている人はいないくらいのアレなんですが、たまたまTLで見かけた配信を見ていたく感動したという話です。
なのでりりむさんもグウェルさんも今回がはじめましてでした。
とりあえずこれがそのアーカイブなんですが
グウェルさんがりりむさんに積分を教えて、最終的に定積分を自力で解くまで終われないというものでご覧の通り8時間あります。
僕が見たのはかなり後半からで、微分を学び終えて積分に入るくらいのところでした。ちなみに見られなかった6時間くらいもアーカイブで見ました。
リアタイ中も相当すごいなと思っていたのですが、アーカイブで全体を改めて見直して、居ても立ってもいられなくなったのでこれを書き始めました。
見ている間、りりむさんがめちゃくちゃすごいなと思っていたのですが、アーカイブで1から改めて見るとグウェルさんもすごくいい先生だったなと気づきました。
りりむさんの凄さから順に話していくと、まず、わからないことをわからないと言える素直さ。わからないことに対する卑屈さみたいなものがなくてとても真摯だったのが印象的です。学問に向き合う正しい姿勢。
聞かれたときだけじゃなくて説明の中の細かい疑問、説明から思いついた細かい疑問、そういうのをスルーせずに毎回質問できる人がどれだけいるでしょうか。
疑問を考えて黙っているところをスルーされかけたときにしっかり「待って」と言って疑問を伝えられる人がどれだけいるでしょうか。
質問をすること自体もそうですし内容も鋭いものがたくさんあったんですよね。
んで質問がうまく伝わらなかったときに言葉を変えて説明し直すとか、めちゃくちゃ難しいんですよ。普通わかんないときって頭の中ゴチャゴチャになってるし同じようなことしか言えないものなんですよ。それを例えを使ったり自分で図を書いてみたり。天才ですよ。
更に言うなら質問も無駄にポンポン投げるんじゃなくてちゃんと自分で考えてからそれでもわからないときにしてるっていう100点満点120点満点のやり方でした。
理解できなかったところを復唱してたのもめっちゃ考えてる証拠ですよね。
ていうか教わる側なのに終始ちゃんと自分で道を探そうとしてたのマジで偉すぎるんですよね。受け身じゃない生徒とかそれだけでもう最高ですよ。漢字でどう書くのか、とか質問してくれるの嬉しすぎる。わかんなかったから別の問題もやってみたいって言えます?僕は言えません。
教えていないから難しいだろうと説明を始めかけたときにまだ挑戦したいと言える人がどれだけいるでしょうか。僕はできません。
ただ話を聞いているのではなくグウェルさんとしっかりコミュニケーションができていたからこそ、x,yの意味がわからず、約分もできないところから8時間で定積分を解くに至ったんだと思います。
最後の問題も躓いたら微分してみたり、簡単な計算ミスで失敗したことを指摘されたら出てきた計算一つ一つを毎回検算して絶対に同じミスをしないんだという意志が感じられてもうハチャメチャに感動しました。
僕はこの配信を見ながら何度も泣きました。泣くに決まってるんですよね。積分の公式教えてもらってスクショした理由が「配信終わっても残しておきたいから」ですよ。これで泣かない人間精神病んでると思うので通院しましょう。
定数の積分でx出てくるの自分で導出できたのとかもまぁ~~~~泣きポイントですよ。C書こうと思ったら2がもういたからおかしいと思って微分したときのことを考えたらxが隠れてるのに気づいたって、言うだけなら簡単ですけどそれもまずちゃんと積分定数Cが何者かっていうのを理解していて、微分がちゃんとできてっていうステップをちゃんと踏んでるわけで、ただ流れで計算してるんじゃないっていうのが素晴らしい。これは後で言うグウェルさんの素晴らしいポイントでもありますね。
先述した、解いてる最中にグウェルさんが説明に移ろうとしたのを止めて考え続けようとしたシーンも泣きポイントです。すげぇよ。
間違いを指摘されても不貞腐れたり折れたりせずに素直に説明を聞いて、質問して、理解して。これができる人間なんでもできますよ。
てかミスも結局計算ミスだけで積分自体は毎回ちゃんと合ってたのヤバくないですか?
8時間ぶっ続けでやってきてんのに今までやってきたことがグチャグチャにならずにちゃんと理解してる証拠ですよ。地頭が良いというのは本当にそうだと感じました。
正味の話、計算ミスとかいうの最後の関門ですよ。結局算数が一番難しいんですよ。思いません?
中盤とかに悩んでいたのも数学的操作自体の理解というよりも記法というか言語化、数式化するための約束事みたいなところが多くて、Δxでしばらく苦戦しましたけどこれって字面としても概念としても難しくて、コメントでΔxじゃなくてhにすればよかったね的なのがあったんですが、hを使ってたらマジで1時間とか縮んだんじゃないでしょうか。
たくさんあった知らないことを理解しようと向き合うこと、そして実際に8時間であれだけ多くのことを理解できたということ、どちらもハイレベルだったりりむさんは本当に頭がいいんだと思います。そして新しい事ばかりノンストップで学んでいるのに何度も「楽しい」と言えるその体力、メンタル、本当にすごかったです。終わってからも含めて「疲れた」って言ってなくないですか?8時間やって最初のセリフに「教えてくれたグウェルのおかげ」って言えます?聖人か?
続いてグウェルさんの話なんですが、とにかく褒めるのが上手い。
褒めてやる気にさせるって言葉にすれば簡単ですけどそうそうやれるもんじゃないですよ。ミスとかもただ間違った場所を指摘するのではなくて、あなたはここが理解できるようになっています、素晴らしい、そしてここが惜しいのでそこを今から説明します、と褒めのワンクッションを忘れないのって教わる側からしたらめちゃくちゃ助かると思うんですよね。
教わる側がどうつまずいているのかを考えるのって当然と言ってしまえばそれまでなんですが、質問の意図をしっかり確認したり、例題をいくつも出すことで理解度を明確にしたりと、どれも適当に済ませずに一個一個片付けていってたのは見落としがちだけど凄く大切なポイントだなぁと思います。
微積のやり方もただ公式を与えるんじゃなくて定義から入って、例示から法則性を導き出して、計算でしっかり導出して、というひたすら丁寧な進行が最高でした。
定数の傾きが0だと自力で理解するとか、検算で積分のミスに気づくとか、この教え方がなければその検算を行う思考回路、技術、そういったものをりりむさんは手にできていなかったはずなんですよ。表面的でない真の理解を自然に促すやり方、お見事でした。ただ目の前にある数字を機械的に知っている公式に代入するのでなく論理でもって扱っているから応用が効くんですよ。これが数学の、ひいては学問でいちばん大事なところと言えるんじゃないでしょうか。
Xと×のバッティングの話とか、n^0の話とか、自分でわからないときはちゃんと調べてたのもとても好印象。そういうものだ、で終わらせないって大事ですし、勉強の一番楽しいところであり根本ですよね。疑問への向き合い方がしっかりしている人は信用できます。
本人は知っていることを教えるのは大変ではない、というような話をしていましたが、これだけ優しく、易しく、丁寧に練られた教え方でりりむさんを導いていたのは簡単に真似のできることではないと思います。
さて、ここまでお二人のすごいところを語ってきました。これを読んで、この8時間の配信が「数学ができない人が定積分の問題を解いたからすごい」、みたいな単純な話ではなく、教える側も教わる側も真摯に学問と向き合っていて、その結果すごくすごく感動できるものになった、ということが伝わればと思います。
僕自身、多少は学びの楽しさを知っているつもりなので、こういった配信を見られてすごくよかったですし、二人とものこともとても好きになりました。
りりむさんが何やらこの配信の前日のコラボ放送のやわらかあたま塾で活躍してたみたいなので明日はそちらを見たいと思います。
話もいい感じにまとまった気がするのでこのへんで。ありがとうございました。